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第32回兵庫県歯科医学大会に参加してまいりました

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7月3日の日曜日、第32回兵庫県歯科医学大会に参加してまいりました。午後からの特別講演では『包括的歯科治療の長期安定を目指すうえでの矯正治療』と題して広島県の小川晴也先生が講演されました。

歯科治療が良好に終了しても患者様の悪い生活習慣が改善されないと、その効果を長期間維持できないことがよくあります。矯正治療(歯並びを改善する治療)も同様で、いくら装置をつけて綺麗な歯並びになったとしても、悪い姿勢、頬杖、うつぶせ寝、口呼などが改善されないと、その結果は長続きしません。逆に大そうな矯正治療をしなくても悪習癖を改善することで、歯並びも見違えるよう改善された症例が今回の講演の中で数多く紹介されていました。

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昔に比べて、子供の虫歯の罹患率は確実に減少しましたが、歯列不正(悪い歯並び)は多くなっています。歯列不正を認める子供の多くに悪習癖を認めます。携帯電話やテレビゲームの普及等によって長時間悪い姿勢が続くことも大きな要因と言えます。中でも口呼吸は、矯正治療の予後を悪化させる因子として改善が不可欠といえます。また、鼻呼吸ではウイルスや細菌などを鼻毛や粘膜によるフィルター機能がありますが、口呼吸はその機能がありません。ばい菌がダイレクトに体内に侵入してしまうということでは全身に与える影響は計り知れません。
矯正治療の前に、もう一度日々の悪習癖を丁寧に確認し、改善・指導していく事が重要であると改めて考えさせられた講演でした。