薬物性歯肉増殖症について
薬物性歯肉増殖症は様々な疾患の治療で薬剤を使用している人に発症します。特に口腔内管理が不十分な場合、発症リスクは高まります。症状は「歯肉」の肥厚で、痛みはない場合が多く、歯肉が徐々に盛り上がり、進行すると歯を覆い隠すほどにもなり歯の移動が起こります。
確定診断は病理検査で歯肉線維腫症やほかの歯肉増殖症などとの鑑別がおこなわれます。
治療の第一選択は、歯のクリーニングと基本的な歯周治療となります。進行した場合は薬物変更、歯肉切除術などの外科的処置を行いますが元に戻らない事が多いです。抗てんかん薬や免疫抑制剤等、代替え薬がなく変更や減量が難しいのが現状です。
予防には適切な口腔ケアが不可欠です。持病や高齢化において定期的に歯垢や歯石の蓄積を防ぐことがとても重要です。