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睡眠時無呼吸症候群はガンのリスクを4倍以上高める

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)と生活習慣病との因果関係は医学的にも証明され、それぞれのリスクを高めることが明らかになっています。
しかし、がんとの因果関係はあまりないというのが定説でしたが、最近は実は大きな関係があるという調査結果が発表されています。

●低酸素状態が直接的にガンのリスクを高める

 ウイスコンシン大学(the University of Wisconsin–Madison)の内科医・疫学者による研究によると「睡眠時無呼吸症候群」が、ガンのリスクに対して大きな因果関係があると発表しているのです。
無呼吸症候群は、睡眠中に低酸素状態となるため、細胞に必要とされる酸素を奪うことになります。20年間にわたる研究によると、無呼吸によるガンのリスクは、4倍以上に達するそうです。
具体的には、マウスによる実験が行われ、低酸素状態が続いたマウスの方が皮膚ガンの成長が速く進行したといいます。また1990年代初めから、1522人の参加者(30代~60代)による実験が行われ、当初から激しい睡眠時無呼吸症候群を持っていた人たちが59名は、201111月末までに他の参加者に比べて、4.8の確率でがん関連の疾病が原因で亡くなっなったという結果が出ています。

●無呼吸が不眠を介して間接的にガンのリスクを高める

風邪を引いたとき、一晩眠ったら朝にはすっかり元気になっていた。そんな経験をしたことがある人も多いでしょう。眠っている間、私たちの体の中では、傷ついた細胞や遺伝子の修復・増殖が活発に行われています。風邪の原因菌と闘う免疫細胞も、睡眠中に活発にはたらいています。睡眠によって、私たちは風邪や疲労から「回復」するのです。
しかし、不眠が長引くと睡眠の「再生工場」としてのはたらきが阻害されてしまため、免疫力も低下します。すると、健康な人でも毎日生まれていると言われるがん細胞を殺すはたらきも弱り、がんになりやすくなるのです。